2009年1月8日木曜日

昨日のそれから・・・・・僕の悪癖





 午後、小樽まで行った。札幌で浪人をしていた頃、里心が起こってくるとよく小樽へ行ったものだった。何かほっとする空気を感じたし、街の規模、坂道の先に港があるという風景が、函館を思い出させてくれたからだろう。その頃は、蒸気機関車がまだ全盛で、小樽築港機関区を眺めるのも好きだった。

 しばらく小樽を訪ねることはなかったが、最近また、小樽行きが増えてきた。駅前の的な蕎麦屋さんが目的だ。
 「藪半」という名のその店は、小樽駅前の国道より一本だけ浜側を通っている狭い道にある。間口は小さく、あまり目立たないのだが奥行きはかなりある。行く時はJRで行くことにしている。他人には「汽車で行く」と言う。「デンシャ」などとは口が腐っても言わないのだ。電車というのは鉄道車両の一種でしかない。たしかに日本の都市部の鉄道はほとんど電化されていて、正真正銘の「電車」が走っている。しかし、日本にはまだまだ非電化区間があり、そこでは気動車(ディーセルカーですね)が活躍している。ごく一部だが客車列車(動力のない客車を機関車が牽引する列車)も走っている。
 僕は鉄道マニアではない(つもり)だが、鉄道の列車を見ると何でもかんでも「デンシャ」と呼ぶ人とは距離を置きたいと思っている。言葉へのデリカシーがなさ過ぎるように感じるのだ。そうやって都会風を吹かせているように感じるヒガミもあるのかね?

 まあ、とにかく、小樽へは汽車で行く。蕎麦屋ではまず、酒を注文する。一合だけ。注文した蕎麦が運ばれてくるまで、チビチビとやり、香り高い蕎麦をすすっと食べて出てくるのだ。普段、あまり日本酒は飲まない。まして昼酒などしない。だから真っ昼間から酒を飲んでいるだけで小心者の僕は罪悪感を覚える。だが、少量の酒で熱くなった胃袋に冷たく滑らかな蕎麦が入っていく感覚は、少々の罪悪感で増幅され、楽しいひとときとなる。だから、いつの間にか、なかなか止められない習慣になってしまった。



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