2009年2月11日水曜日

鉄と油と牧草ロール

 ウマたちに牧草のロールサイレージを出してやった。1個200kg以上あるのでトラクターを使う。トラクターの前面に付いているフロントローダーという腕を油圧で操作してロールを運ぶ。少し前からローダーの動きが悪いことに気づいていた。レバー操作より動きが遅れるのだ。おそらくローダーを動かすための油圧が足りないのだろう、と見当は付いていた。
 しかし、時間がない、寒いなど様々な口実を設けて点検を怠っていたのだ。今日は、意を決して点検してみた。油圧はギヤオイルと共用である。点検口を開けてレベルゲージを見ると、標準からほど遠い。
「やっぱりナ」と思いつつ補充作業を始めた。なんと、10リットル以上も不足していた。こんな状態で、文句ひとつ言わずに(言えない!)よく働いてくれていたものだ。スマヌスマヌと詫びながら給油した。そのほか、レバーやカムなど外に出ている摺動部(しゅうどうぶ=つまり動いてこすれ合う部分ネ)の潤滑油が不足して全体的に動きが悪くなっている箇所に給油した。すると、フィアット社製77馬力は、生まれ変わったように(ちょっと大袈裟)元気を取り戻してくれた。
 それにしても、鉄という材料は、冷たく無機的な存在(無機物だって!)だが、ヒトが手をかけて可愛がるとすぐに嬉しそうに反応する。生きているもののようなところがある。不思議な材料だ、と思った。
 ヒトが鉄と出会ったのは、ずいぶん昔のことだろう。ヒトの文明は鉄と共に歩んできたと言うことができる。そして、鉄を錆から守り、摩擦を減らすために油が必要になり、良い潤滑剤を手にすることで、鉄はますます存在価値を高めたのだろう。

 トラクターの手入れをしながら考えたことでありました。

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