2009年2月25日水曜日

思えば出世したものだ

 大学の研究室の同窓会などは功成り名遂げた人々が集い来るものだ。僕は、功成らず名遂げてないのだけど、コッソリとその人々に混じって、心ゆくまで楽しんだ。だって、会って顔を見た瞬間に何十年も時間が逆転して、「あの頃」の自分に戻ってしまう、あの感覚はたまらなく愉快なものだから。
 低気圧による吹雪で交通機関が乱れ、全国各地から集まって来る人々はみな、大変苦労してた。宴会の終わり頃、やっと間に合った人も少なくなかった。ついに参加を諦めた人も何人もいた。そんな中で、札幌駅に夜8時頃到着し、タクシーを飛ばして来た人がいた。タクシー代は軽く5桁に達しているだろう。さすが、功成った人は違う、と密かに舌を巻いた。
 だが、ちょっと待て。僕自身も、ずいぶん贅沢をした。旭川の娘の家に車を預けた。故障したから預からざるを得なかったのだ。すると、娘の相棒が旭川駅まで送ってくれた。何という贅沢。お陰で札幌行きの特急列車に余裕をもって間に合った。
 札幌からローカル列車に乗り換えて大学の最寄り駅まで行った。実はわが母校は酪農系の大学である。敷地の広さが自慢なのだが、最寄り駅から歩くと軽く20分はかかる。しかもまだ吹雪が荒れている。列車ダイヤが乱れて集合時間までもう10分も無かった。そこで僕は決断した。その駅からタクシーで行くことにしたのだ。学生のことには考えも着かない贅沢である。そのため、余裕を持って集合時間に間に合った。

 同窓会が終わって、旭川駅に帰り着いた。今度は娘が自分の車で迎えに来ていてくれた。しみじみ考えてみた。行く時もクルマで送られ、タクシーで大学へ行き、帰りも車での出迎えを受ける。自分は、何と出世したのだろう。ありがたいことである。
 彼女の家に着いてみると、娘の相棒が車の応急修理をしていてくれた。
 もー、ありがたすぎる。

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