2009年3月20日金曜日

都会のナゾ


 東京に着いて、まず、モノレールに乗った。窓際で若い男性がハンカチを握りしめ、涙を流していた。辛い別れの直後で、人目もはばからず泣いているだろう。気の毒に、と思った。できるだけ見ないように心がけたが、気になって時々見てしまう。するとどうも様子がおかしい。哀しみにくれている割にはイヤフォーンをかけて音楽を聴いているし、よく見ると表情もそれほど悲しそうでもない。
 ン、なーんだ。花粉症か!
 
 気が付いてみると車内にはカラス天狗のようなマスクを着けたひとが大勢いる。その後、窓際で涙を流している若い男女も何人か目撃した。くしゃみ二十連発の人にも会った。
 今や、これが日本の首都における春の風物詩なのだなあ。なんか違和感がある。何かがおかしい。罹患している人々には、心から同情を感じるのだけれど、どうしてこんなことになってしまったんだろう、と考え込んでしまう。
 スギの花粉が増えた、という事実もあるかもしれないが、原因は単純ではないのだろうなあ、という気がする。

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