2009年6月12日金曜日

知床の漢(おとこ)

 昼、弁当を持って行かなかったのでパンを買いに行った。このパン屋のご主人、実は昨日マッコウクジラを観た時、一緒にいた「エヴァーグリーン」の船長なのだ。店に入っていくなり声をかけられた。
「昨日、よかったショ。やっと観られたね。久しぶりだったでしょう。」まるで自分のことのようにうれしそうな様子だった。
 昨年、僕が企画したホエールウォッチングはことごく時化は濃霧で中止になったり、出向してもクジラに出会えずじまいだったりした。この船長から、「霧男」と呼ばれ、自分でもいささかヤケになって「霧野悠羅」というすばらしい名前を名乗ることになったのだ。 もちろん自然が相手のことだし、僕は、まったくゲンを担がないので、さして気にならなかった。けれども彼は、僕の「不運」をずっと気にしてくれたのだということに、昨日、初めて気づかされた。
気が荒く、言葉遣いも厳しい海の男の優しい一面を見せられた瞬間だった。
 これが知床の漢(おとこ)なんだなあ。思い返すたびにジーンとなる。

0 件のコメント:

コメントを投稿