2011年3月30日水曜日

腐敗アミン説を知っていますか?

 純丘曜彰大阪芸術大学 芸術学部哲学教授の文で、水俣病の原因として「腐敗アミン説」というものがあったことを知った。

 1956年に発見された水俣病は、しばらくの間、原因が突き止められなかった。
 清浦雷作・東京工業大学教授はわずか5日の調査で「有毒アミン説」を提唱したり、戸木田菊次・東邦大学教授は現地調査も実施せず「腐敗アミン説」を発表した。
  その他にも様々な妨害があって、有機水銀が原因物質、チッソが原因企業であることは、12年間も隠され続けたのだという。
その結果、熊本大学医学部が行なった調査結果を覆し、軽んじる発言を繰り返した。

       水俣病が発見された際、地元の熊本大学は、ただちに現地調査を行い、
      有機水銀が原因であることを特定し、チッソに排水停止を求めた。ところ
      が、日本化学工業協会は、東大教授たちに水俣病研究懇談会、通称「田宮
      委員会」を作らせ、連中が腐った魚を喰ったせいだ、などという腐敗アミ
      ン説をでっち上げ、当時のマスコミも、この東大教授たちの権威を悪用し
      た世論操作に乗せられて、その後も被害を拡大し続けてしまった。
                         (以上純丘教授の文)

 東京電力は東大の寄付講座に5億円も流し込んでいるという。
 水俣病のときも、企業は、東大の学者を利用して事実を隠蔽し、その被害を拡大させてしまった。
 現在、旧国立大学は独立行政法人化され、「お金になる」研究が優先されている。私立大学も私学補助金が大幅減額される中で「業界」からの資金に頼らざるを得ない状況になっている。
 いつの間にか(いや、小泉政権の時から)科学は「人民の幸せのため」より「行財界の金儲けのため」のものになっていたのである。
 いま、福島で、水俣以上の悲劇が起きようとしていることは間違いない。

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