2011年4月19日火曜日

偶然に手に載せしマヒワの軽さ 手のひらに 残る命の重さ



 中高一貫推進委員会の最中、窓に何かがぶつかってきた。

 休憩時に見てみると黄色い小鳥が落ちている。マヒワだった。外傷は無く、骨にも異常はなさそうで、単なる脳しんとうだと考えられたので、段ボールの小箱に入れて保温して事務室で保管した。
 会議が終わったお昼前に一旦放してみたが、ボーッとしていた。しばらくしてから近づいて手を伸ばしてみるとすぐに捕まえることができた。
 で、段ボール箱に逆戻りとなる。



 午後、二時過ぎまでそのままにしておき、それから再放鳥を試みた。
 今度は、午前よりも力強い羽ばたきで遠くまで飛んだ。積まれた木材に留まったので、少ししてから近づいてみると、ニンゲンを嫌って斜面の林に飛び去った。

 体重十数グラムの小さな命だが、雨の日も寒い日も野外で逞しく生きている。
 僕が「助けてやった」などと考えられない。
 僕の体重は、マヒワの5000倍以上ある。(計算の要なし)
 彼を温めてやることもできる。
 だが、食べものを探し出し、害敵から身を守り、子孫を育て力強く生きる力は、あの鳥たちには及ばない。

 偶然の出会いで、ほんの数時間ふれ合っただけのマヒワだが、いろいろな印象を残して旅立って行った。




 制御できるかどうかおぼつかない核分裂反応を得意そうに振り回し、失敗して生命に有害な物質をまき散らすようなニンゲンは、こんな小さなマヒワの命のことなど考えもしないのだろう。
 自然に対する傲慢さを改めない限り、ニンゲンに未来は無い。

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