2011年4月20日水曜日

がんばれ!コペルニクスの末裔たち。

J-CASTニュース 4月20日 より一部転載
原発推進学者が次々懺悔 「国民に深く陳謝する」(2011/4/16 13:17)

 元原子力安全委員長の松浦祥次郎氏や前原子力委員会委員長代理の田中俊一氏ら原発推進の学者16人がこのほど、異例の緊急提言を行った。

「原子力の平和利用を先頭だって進めてきた者として、今回の事故を極めて遺憾に思 うと同時に国民に深く陳謝する」

 大量の放射能を閉じ込めるのは極めて困難、と認める指摘もある。
 「私たちは事故の推移を固唾を飲んで見守ってきた。しかし、事態は次々と悪化し、  事故を終息させる見通しが得られていない」
 「膨大な放射性物質は圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出  され、現在も放出され続けている」
 「特に懸念されることは溶融炉心が圧力容器を溶かし、格納容器に移り、大量の水素  ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性  を排除できないことである」

16人は東京大学名誉教授、京都大学名誉教授、東京工業大学名誉教授などそうそうたるメンバーで、原子力安全委員会や原子力委員会の歴代委員長や委員を務めるなどした日本を代表する原子力の専門家たちだ。

4月1日、会見した田中俊一氏は
 「原子力の平和利用を進めて、まさかこういう事態、これほど国民に迷惑をかけるよう な事態は予測していなかった。結果的にこういうことになっていることについて、原子 力を進めてきた人間として、国民に謝らなくてはならないという気持ちは、みんな持っ ていると思う」と心境を明かした。

提言に加わっていない原子力安全委員会前委員長の鈴木篤之氏(日本原子力研究開発機構理事長)も4月6日、衆議院経済産業委員会に招致され、
 「国民にたいへん申し訳ない。私にとって痛恨の極みだ。この事故を反省し、よく考え ていかないといけない」などと反省の弁を述べている。

原子力安全委員会では、歴代OBに限らず、現役首脳も自己批判に追い込まれている。斑目春樹委員長は、やはり6日の衆議院経済産業委員会で、「今回の事故を深く反省し、二度とこのようなことが起こらないよう指導していきたい」などと弁明に懸命だった。

コペルニクスは、ガリレオよりも100年前に地動説を唱えたのだが、ガリレオのように宗教裁判にかけられることはなかった。むしろそれどころか、彼は聖職者であり、地動説を「弾圧する側の人間」だったのだ。

 立場の問題もあるが、コペルニクスは、革命的で大胆な性格の持ち主ではなかったといえる。37歳の時には既に太陽を中心に地球が回っていると結論付けたが、堂々と発表していない。論文の草稿を一部の学者に送っただけにとどまった。
 異端呼ばわりされることを恐れたのだろうと言われている。だが、彼がためらっている間にも、地動説についてのうわさは徐々に広まっていった。

 それから30年の後、ついに本に著す決心をした。 初めは匿名での出版を条件としたが、世間の反応を見て実名を書いた。
 こうして出版された本が『天球の回転について』だ。完成本が出されたのは、彼が享年70歳で死亡した後だった。

今回声明を発表した原子力学者たちの記事を読んで、僕はコペルニクスのことを思い出した。学者も人間であり、それぞれの生活もあるだろうから、新たに発見した事柄が社会的にどのような影響を与えるか、考えないわけにはいかないだろう。寄付金をもらっている立場もあるし。

 今回、16人の学者が、今までの誤りを認めたことは、素直に評価したい。
だが、重要なのは今後の彼らの行動である。
 本当に謝罪する気持ちがあるのなら、専門的な学識や経験を生かし、原子力発電所を無くすこと、計画中または、建設中の原発はすべて中止し、既存の原発も全て無くすための運動に取り組むべきだ。

 今となっては、コペルニクスは、ガリレオと並び、天文学史上の偉人として位置づけられている。

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