2011年5月20日金曜日

セイヨウオオマルハナバチ

 桜が咲き始めた。
 今は、チシマザクラが主のようだが、内陸の中標津ではエゾヤマザクラも咲いているようだ。

 この時期になるとセイヨウオオマルハナバチの駆除が盛んになる。
 黒地に鮮やかな黄色い帯を巻き、腹部末端が純白という出で立ちの大型のハチだ。

 このハチはヨーロッパ原産で、ハウス栽培作物のトマトやナス、イチゴなどの受粉のために農薬のような扱いで巣ごと輸入されている。一年間の輸入量は、あまり明らかにされていないが6~7万巣だということだ。

 このハチは他の近似種よりも舌が短い。だから筒状の花の奥にある蜜を吸引できず、花の横に穴を開け、しばしば「盗蜜」という行動をする。穴を開けられた花は、受粉されることなく蜜をただ盗りされ、結実の機会を失う。

 長い時間をかけて育まれた在来生態系の花粉を媒介するシステム=送粉系がかき乱され希少な植物群落が打撃を受けることが予想される。

 そこであわてて「特定外来生物」に指定し駆除が行われている。

 だが、一方で予算を使って(つまり税金を使って)駆除作業をしているものを他方で輸入・販売して利益を上げている企業があるという矛盾をこの時期、いつも感じている。

 これも構造は、原子力発電と同じだ。
 このハチのために、高山植物などが大幅に失われたら、未来に禍根を残すことになる。 その責任は、今、この国の仕組みを作った人たちが負わねばならない。

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