2011年9月12日月曜日

名月は明るいものとその人は 驚いており 都会で生きて

 今夜は、中秋の名月。
 雲が多く、見ることはできそうにない。
 せめて、お団子でも買おうかと思っていたが、帰宅途中にあるお菓子屋さんは、すでに閉店していて、諦めた。

 ああ、団子たべたかったNa!
 「月より団子」

 月の直径は、赤道方向が3,475.8 kmで、曲方向は3,471.3 kmである。
 その差は4.5kmしかない。
 秋のそらに冴え冴えと浮かぶ満月は、ほんとうにまん丸に見えるけれど、数字の上からもそれが証明されている。

 気になることが一つある。

 僕は、いつの間にか時代小説が好きになっていて、いろいろな作家のものを読むが、たまに月の形と時刻がまったくバラバラの作品に出会う。

 例えば、丑三つ時(真夜中)に三日月が出ていたり、宵の口に東の空に上弦の月が出ていたり、といった描写に出会うことがある。

 こんな重箱の隅を突くようなあら探しをしていては、楽しむものも楽しめないから、小説の世界を存分に味わうためには、このくらいの事は片目をつぶって通り過ぎるのが良いと思う。しかし、その一方で、作者がいかに天文の基礎知識を軽んじているかが伝わってくるようで、機会があれば注文をつけたいなと思うことの一つだ。

 月だけではないだろうが、自然現象全般への関心が希薄なのだと思う。
 
 先日読んだ本でも、江戸時代、静岡県あたりの渓流でニジマスを釣る話に出会った。外来魚のニジマスが日本各地の河川で生息し始めたのは、明治になってからだと思っていたのだが。(まだ調べていないが)

 今日、運転しながらラジオを聴いていたら、「節電で街灯が消えて、月の光が本当に明るいことがわかった」とアナウンサーが話していた。
 何をいまさら、と思ったのだが、考えてみると、光のあふれる都会の夜ばかりを経験していると、こんな感慨も感じるものなのであろう。

 自然から切り離されたニンゲンの姿が、こんな所にも垣間見られる。

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