2011年9月20日火曜日

台風15号

 台風15号が近づいている。
風もほとんど無く、穏やかな一日だったが、高い空には輪郭のくっきりとした雲が浮かんでいた。つまり、高層では風が強まっているようだ。

 1954年9月26日、台風15号が津軽海峡付近を通過し、青函連絡船「洞爺丸」など5隻が沈没し、2000名近い犠牲者が出た。

 翌日は、カラリと晴れた日だったように思う。
 4歳だった僕は、近くの浜に父に連れられて行った。夏には海水浴に行く場所である。 浜では警察官や消防団員が次々に流れ着く犠牲者の遺体を集め、海岸に並べてムシロを被せる作業をしていた。

 子どもながらに、異常な雰囲気を感じ取ったが、恐怖感や不快感はなかった。
 それが、海難史上「タイタニック号」沈没事故とも並ぶ悲惨な出来事であったということは、かなり後になって知ることになる。 

父は、どういうつもりで幼い僕を、そんな現場へ連れて行ったのかわからないが、歴史的大事件を直接体験したことは貴重で、深く感謝している。

 洞爺丸台風の国際名は『マリー』という。今年の15号は『ロウキー』というそうだ。おとなしく通り過ぎてくれればいいのだが。

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