2011年11月1日火曜日

周到に計画された春を見つけに




 「ミョウガだ!」
 「いや、タケノコ?」
 生徒たちは、思い思いの印象を口にした。
 春刈古丹川の林道を奥へ入った場所。
 普通の人は、めったに行くことはない知床の内懐での授業だ。


 「みな、違う。答えは、フキノトウだよ」
 「エ~~~ッ!」異口同音に叫ぶ。

 これから冬に向かおうという11月の今、早春のシンボルであるフキノトウがあることは、大人でもにわかに信じられないかも知れない。

 だが、異常気象による現象ではない。
 ごく普通の当たり前のことなのだ。

 自然は、怠ることなく来春の準備を進めているのだ。
 やがて、この山懐も雪におおわれる。
 そして、また、春がやってくるのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿