「ミョウガだ!」
「いや、タケノコ?」
生徒たちは、思い思いの印象を口にした。
春刈古丹川の林道を奥へ入った場所。
普通の人は、めったに行くことはない知床の内懐での授業だ。
「みな、違う。答えは、フキノトウだよ」
「エ~~~ッ!」異口同音に叫ぶ。
これから冬に向かおうという11月の今、早春のシンボルであるフキノトウがあることは、大人でもにわかに信じられないかも知れない。
だが、異常気象による現象ではない。
ごく普通の当たり前のことなのだ。
自然は、怠ることなく来春の準備を進めているのだ。
やがて、この山懐も雪におおわれる。
そして、また、春がやってくるのだ。
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