2011年12月12日月曜日

気圏の底の大失敗

先日の月蝕の写真は、ことごとく失敗した。
 上手に撮れた人たちに対して嫉妬を覚えるほどの惨めな出来だった。

 そろそろ頭が冷えてきたので、「敗因」の分析を試みた。
 
 その第一はシャッター速度を遅くしたことによるブレだと思った。
 事前のテストで、シャッター速度は1.5分の1秒から3分の1秒くらいにしていた。カメラに付いているモニターでは、まずまずの仕上がりに見えた。だからその設定で撮影したのだった。

 どうも「天体の撮影にはスローシャッター」という固定観念から抜け出せないでいたことも原因らしい。

 だが、カメラは重い三脚に固定していた。
 どれほど遅いシャッター速度を使っても、ブレが生じるはずはないのだ。

 それなのに、写真は明らかにブレている。スローシャッターを使った時の手ぶれそのもののようなブレが生じている。不思議だと思った。


 今日、よ~く考えてみて、ふと気づいた。
 これは、カメラがブレたのではなく、被写体である月の方が動いたのだ。!

 まあ、月が本当に動くはずはないから、空気が揺れて、ブレたわけである。
 われわれは、大気の底から宇宙を見上げている。
 大気のフィルターを通して、月を見ているということを忘れていたわけだ。
 なんと恥ずかしい。この失態は、二重に恥ずかしい、誤りではないか。
 大気の底で暮らしていながら、その存在を忘れていた、自分自身が情けない。

 月を撮るなら、シャッター速度は、短くして、絞りは開放、ISO感度によって露光の調節をすれば良かったのだ。

 というわけで、今回のチャンスは、惜しくも生かすことができなかった。次の機会にこの経験を役立てよう。

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