2011年12月20日火曜日

昆虫食のすすめ

昆虫を食べるのが結構好きだ。

 学生時代の研究室が「農業害虫学研究室」というところだったからだろうか。
 スズメバチの幼虫、バッタ、セミ、トンボなどいろいろな虫を食べた。

 コガタルリハムシ(小型瑠璃葉虫)という虫が卒論のテーマだった。一匹の雌が毎日産む卵の数を、来る日も来る日も数え続けた。顕微鏡の下で黄金色に輝くその卵を、どうしても食べてみたかった。しかし、孵化率を測定する必要があり、食欲をじっとガマンして作業を続けたことを覚えている。


 タンパク質は、およそ二十種類のアミノ酸からできた長い鎖である。
 われわれがタンパク質を食べると消化酵素によって、その長い鎖が短く切り分けられていく。
 そうやって出来た、数個から数十個のアミノ酸からなる短い鎖をペプチドという。

 ペプチドは、さらに分解されて吸収されれば栄養になるだけだが、ある特定の種類のアミノ酸がある決まった順序で並ぶと細胞に対して、特定の行動(例えば「分裂しろ」とか「ホルモンを分泌しろ」などという)を促す命令となる場合がある。

 そして、近縁種のタンパク質を分解して作られるペプチドは、そのような「命令文」としての意味を持っている場合が多いと言われている。

 だから、健康と安全のためには、タンパク質を摂る場合、近縁な生物を避け、分類学的に遠い生物のものを食べるようにするのが良いのだそうだ。
 現に、BSE発生の直接の引き金は、ウシの餌にウシから作った肉骨粉を混ぜて食べさせたからだと言われている。

 われわれの身体は、複雑な構造をもち、小さいきっかけで大きな(そして大抵は不可逆的な)結果を生じるものだ。

このことを考えると、放射線の内部被曝に対して、われわれは、もっと慎重で神経質であるべきではないかと思う。
 それなのに、今、日本で行われていることは、その正反対。
 まるで、心理的な脱感作のように、少量の放射線量から徐々に増やして、国民をすこしずつ(あくまでも心理的にだけだが)馴れさせようとしているとしか思えない。

 放射能が体内に蓄積され、細胞に対して至近距離から放射線を当て続けることで、遺伝子やタンパク質の構造に修復不能な損傷を与える危険性があることは、誰が考えても想像できることではないだろうか。

 食品に含まれる放射能の「安全基準」など限りなくゼロに近づけなければならない。
ゼロからスタートすべきことではないだろうか。
 乳児用粉ミルクから放射能が検出されて、慌てて作った「基準」など真の基準たりえないことは明白なのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿