2012年1月10日火曜日

雪の降る日に

上空の寒気が流れ込む直前の穏やかな一日、というのが全国一般的な天候のようだったが、知床や道東地方ではそういうわけにもいかず、雪の降る時間の多い一日だった。
 ただ、風は無く、雪の量もそう多くなかったので、これでも「穏やか」と言える日なのだろう。

 ただし、車の運転には少し苦労させられる一日だった。
 一日を通して、-5℃前後の気温だったので、雪の粉が舞い上がって、ちょっとしとことで視界が失われ、ホワイトアウトになってしまう。

 まあ、ゆっくり走ればいいだけだが、何かの事情で先を急ぐ人もいるだろう。
 そこには、クルマ同士の駆け引きがあり、譲ったり、譲られたりする機会が増えるとただでさえ悪い視界がますます悪化していくことになる。
 運転には神経を使う一日だった。

 粉になって舞い上がる雪を見ながら、放射性物質のことを考えていた。
 原子炉から吐き出された放射能を持つ微粒子たとえばセシウムは、カリウムやナトリウムと同じアルカリ金属だから一価の陽イオンの形をしているそうだ。
 だから雨や霧の水滴に溶け込んで存在しているのだろう。

 粒子の細かな水滴は、あまり目に付くことはない。
 しかし、クルマが走った時に巻き上げる雪を見ていると、それらが簡単に空中を漂うものであることをあらためて、実感した。
 「漂う」と言うよりも空気の一部のようになっていると考えた方が良いかも知れない。

 福島第一発電所からは、そんな物質が大量にばらまかれているのだ。

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