2012年1月20日金曜日
根室海峡流氷初日
高校の坂から見える根室海峡と国後島
よく見ると水平線に白い帯
羅臼高校の帰り、坂から海を見ると、水平線に細く白い帯が延びていた。
注意しないと見逃すくらいの細い帯だが、流氷が来たのだ。
今年の流氷は、例年になく待ち遠しかったように思う。
坂の途中にいそいそとクルマを停め、屋根に登って写真に撮ってみた。望遠にして写すと辛うじて白い水平線がわかるのではないだろうか。
昨日、流氷についてついて書いたら、突然、流氷の話を百話書こうと思い立った。
昔、学級通信に「綿羊百話」という記事を書いたことがあった。毎回完結で、一回ずつは短く簡単にヒツジのことを、短い文にまとめたのだ。
それなら、流氷についても百の視点から語れるかも知れないという気がしているのだ。
昨日の分を第一回として、まあ、やってみよう。
ただし、連続ではない。あくまでもも不連続なのである。
< 「流氷百話」(2/100) >
知床の流氷の特徴は、何と言っても低緯度だということだろう。羅臼町は北緯43度。実は、この北緯43度の線、どこまでも西へ西へとたどって行けば、イタリア北部を過ぎて、スペインとフランスの国境付近に達するのだ。
「君たちは南フランスの太陽と同じ太陽を浴びているんだよ。」これが、知床についての僕の授業で、必ず言う言葉である。
南フランスと同緯度なのに流氷がやって来る。
流氷が運んでくる植物性プランクトンが南フランスの日差しを浴びて爆発的に増殖するのが根室海峡なのだ。それらは動物性プランクトンを養い、小型の魚を養い、しまいにはクジラまでも養う。
流氷は、根室海峡で生物が爆発的に増える、一番最初のきっかけを運んで来る。根室海峡が「奇跡の海」と呼ばれるほど、水産資源に恵まれている理由のひとつは、ここにある。
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