2012年2月4日土曜日

流氷の密度 流氷百話 10/100




 毎年、流氷の密度が気になっている。
 海上保安庁第一管区から出されている情報や衛星写真を見ても、ここ十年間くらいの間に流氷の密度は低くなってきているのは明白な事実だ。
 体感的にも感じられる。

 これは間違いなく気候変動のせいだろう。温暖化だと思う。
 作られる氷の量が少ないから、氷の総量が少ないのだ。だから風で吹き寄せられていても密度が上がらない。
 今日、網走側の流氷の様子が知りたくて、見に行って来た。

 斜里町から網走市にかけての海岸線からは流氷は離れていて、沖合に流氷帯が見えるだけだった。
 斜里町から知床半島に入り、半島基部の峰浜という場所まで行ってみた。ここでは流氷群が接岸していたが、海が氷に覆い尽くされているという状態ではなく、氷の間は、隙間だらけであった。ひとたび東風が吹けばサッと移動してしまうだろうと思われる。
 氷に乗ってみたが、海岸から10メートルほどの所で完全に浮いている動いている氷があり、僕たちが乗った氷も亀裂が入って流れ出す直前といった感じであった。
 (もちろん10分や20分で動き出すという状態ではなかったが)

 今の季節は、網走側ではもっと密度が高くなければならない。
 知床半島の峰浜あたりでは、海岸から数百メートル沖まで歩いて行けるほど密度が高かったものだ。
 知床半島東海岸、羅臼町側と違って、西側の斜里町や網走の海岸は、北西の風で氷が次々に流れ着き、先に着岸した氷に後から来た氷が乗り上げたりして、海岸は氷の山脈のようになっているし、海面も「白い大陸」と呼ばれるほどの高密度の氷で覆われていたものだ。

 一年ごとの変化量は小さいものかも知れないが、10年単位くらいで比較していくと、流氷の総量は確実に減少している。

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