2012年3月10日土曜日

旅路の果て 流氷百話 19/100





 北緯43度45分の海岸。
 オホーツク海をはるばる南下してきた流氷の、旅路の果てである。
 
潮流と風で次から次と押し寄せる流氷は、押し合って互いに乗り上げ、山脈のように盛り上がる。オホーツク海沿岸には、このような氷の山脈が何キロも連続して出来ることがある。

 今日、海岸に立って、流氷原を見ていて、ふとひらめいた。
 地球の表面を作っているプレートは、流氷の動きと似ているのではないだろうか。潜り込む、乗り上げる、あるいは引き裂かれるという動きは、氷と氷の間にもある。

 流氷の動きで、プレートの動きを説明すれば、海溝や山脈のでき方や地震の起きる仕組みなどがわかりやすくなるのではないだろうか。

 日本列島は、プレートの境目に出来た島弧だ。
 万が一流氷に乗らなければならないとしたら、氷の境目に乗るだろうか。それとも流氷の真ん中に乗るだろうか。
 当然、不安定な境目には乗らないだろう。

 原子力発電所を日本に造るというのは、流氷と流氷の境目に立つようなもので、安定ないつ境目がずれるかどうかわからない。
 原子力保安院(最近は「不安院」と呼ばれているらしいが)も、この流氷の旅路の果てに立ち、日本列島の地質学上の特性を考えてみれば良いのだ。

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