2012年3月11日日曜日

風車のアセスメントから辺野古を思う

風力発電事業者と根室半島の海岸で計画されている発電用風車の環境アセスメントについて話し合いをもった。
 この業者は、良心的で、今のところ予備調査の段階で、風車の建設によってワシ類の飛行への影響が避けられないようであれば、計画の中止もありうる、と言っている。(「今のところ」ではあるが)
 担当者は、計画地域周辺のワシ類の生息状況をどのように調査するか、その調査方法を決めることに苦労していた。たとえば、営巣地点を確認するためには、航空機を利用し、空から調査するのがもっとも望ましいが、ワシが抱卵を始める春先に航空機を飛ばせば、調査そのものによって繁殖行動に悪影響を与えてしまう。しかし、工事の日程は、それらの事情とは無関係に決められている。調査しなければ、ワシへの影響がわからないまま風車が建設される。こんなジレンマを抱えている。

 環境アセスメントとは、往々にしてこのようなものだ。
 形式的に法律上の手続きを踏むだけ、といった態度で環境影響評価をやり過ごすなら、それは、ほとんど意味のない、実態に基づかないものになってしまうだろう。
 そして、おそらく、そのようなインチキくさいアセスメントがまかり通っているのが、現在の日本の状況なのだろう。

 米軍の新基地を造るために行われた辺野古のアセスメントのことが頭をよぎった。すでに多くの不備や誤謬が指摘されているが、おそらく、建設推進という結論が先にある、いい加減なアセスメントであったに違いない。

 「風車を建てることをごり押しすれば、アセスメントなどは、余計な作業だ」良心的なこの担当者でさえ、表情にそのような気持ちがにじみ出ていたように感じた。

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