2012年4月12日木曜日

インチキなルールで原発を再稼働させようという策動を許さない

一年前の今日、福島第一原子力発電所の事故がレベル4からレベル7に引き上げられた。みな、覚えているだろうか。
 事故発生から一ヶ月経ってから。


 一羽のオジロワシの成鳥が、海岸の枯れ草の上を飛んでいた。道東では、珍しい風景ではない。
 しばらくの間、車と並行に飛んでいた。毎時80キロメートルほどの速さ。
 ノンビリと飛んでいるように見えるが意外に早い。
 それも道理で、その体重はおよそ6~8kgあるから、それだけの重さの物体を空中に浮かばせるためには、そのくらいの速度が必要なのだろう。

 越冬のためにカムチャツカ半島や沿海地方から来ていたオジロワシやオオワシたちは、もうすでに大部分が飛び去っているから、今いるおとなのオジロワシは、この付近で繁殖している鳥たちだろう。
 つがいで、巣の補強をし、繁殖の準備をしている時期だろうか。
 もう、すでに産卵し、抱卵に入っているかも知れない。

 ワシが巣に就いている姿を、モラルのないカメラマンたちは写真に撮そうとする。その結果、巣を放棄して繁殖を止めてしまうことが多い。
 これを防ぐために、オジロワシなどの希少鳥類の巣の場所は、第一級の秘密情報だ。

 悪質なカメラマンがいなければ、そんな必要は無いのだが、現状は「写真愛好家」が増え、性能の良いカメラがたくさん出まわることによって、モラルの低い人々が増えつつあるようだ。

 そして、僕らが、こんなにも神経質に、繁殖場所の保護に努めているにもかかわらず、日本人は大量の放射性物質を環境にばらまき、海に垂れ流して、彼らの餌となる魚類への汚染を徐々に広げている。

 世界中で6000羽くらいしか残っていないというオジロワシ。
 渋い薄茶色の身体に純白の尾羽を輝かせて飛ぶ姿をアイヌの人々は「カパッチリカムイ=ワシの神」と呼んだという。
 経済成長に執着するあまり、環境をどんどん悪化させる行いは、神に弓引くふるまいと言えるだろう。

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