2012年5月10日木曜日

自然体験を深める教員研修

地上は、五月の太陽に照らされて気温が上がり、上空には寒気が流れ込んで来て、今日も大気の状態が不安定だったという。
 ただ、道東地方は、連日の霧で日照が遮られていたので、地表の気温もそれほど上昇していない。今日は5℃前後で推移する肌寒い一日だった。

 羅臼町内の中学校と高校の理科教員の研修があった。
 学校教育は、学習指導要領に基づいて行われるから、教員としての仕事は指導要領にある知識や技術の範囲に精通してれば一応はこなせることになる。
 だが、もちろんそれだけでは十分ではなく、教師個人の学術上の経験や自然体験などによって培われた自然観、生命観などを土台に、教育者としての知識や技術が形作られていなければならない。特に、羅臼町のような環境で理科教育就中自然史系の理科教育を行う場合、地元の自然を正しく認識し、今後どうあるべきかということなどにまで明確な展望をもった自然観を身につけておく必要がある。
 まして、地元の自然や歴史を直接教える内容に採り入れるとしたら、このことは欠かすことの出来ない条件となる。

 理科教員と言っても、専門や経歴は様々で、研究室から一歩も外に出ることなくひたすら室内での研究に明け暮れていた人もいる。そのような人は、フィールドのナマの自然環境と生徒の感性を結びつける以前に、自分自身の自然体験を再構築しなければならない。

 今日、行った研修は、そのために羅臼町内の理科の先生方に自然に向ける目差しを揃えてもらうための第一歩となった。だから、その場に中学校と高校の双方の先生方が集まったということに意義がある。幼稚園と小学校の先生方も来てくれれば、もっと良かったのであるが。

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