2012年7月19日木曜日

インドのニュースで考えた

オホーツク海に冷たい高気圧が張り出し、北寄りの冷風が強く吹いた。
 羅臼側は、それでも山越えの風になったのでフェーン現象によって、それほど冷え込まなかったけれど、ウトロ側はかなり寒い一日だったらしい。
 いつもの7月とは逆の現象が見られた日だ。

 昼過ぎ、ニュースをチェックしていると、インドのスズキ自動車の子会社の工場で労働者の暴動が起きて、インド人一人が死亡、日本人社員二人も負傷したという記事が気になった。
 先ほど、詳しい続報を読んでみた。

 以下、産経ニュースのweb版より一部引用:
 スズキのインド子会社、マルチ・スズキで18日に発生した従業員による暴動は、生産体制の急拡大を図る企業側と、低賃金で採用される短期契約社員たちとの摩擦が背景にあるようだ。
        (中略)
 現地の関係者の話を総合すると、スズキは約3000人の社員のうち半数以上が短期の契約社員という。契約社員の給与はハリヤナ州の最低賃金を上回るものの、福利厚生では正規社員には及ばない。契約社員には他州出身者のほか低カースト出身者が少なくない。

 インフレの進行で食料品や燃料費は高騰し、契約社員の生活は「働けど苦しくなる状態だ」(現地のエコノミスト)という。急成長する大企業で、収入が増える正規社員との格差を目の当たりにする契約社員には賃金面での不満が高まっていたようだ。
(中略)
 急成長するインドの自動車産業では、韓国の現代自動車や外資系タイヤメーカーなどでも、組合設立の要求をめぐる労使対立がたびたび問題化している。半面、これはインドに限った問題ではない。中国では賃上げや待遇改善を求めるストやデモが頻発し、バングラデシュでも同様の動きが相次いでいる。(引用終わり)

 契約社員=非正規労働者を雇い、人件費を低く抑える。行き着く所は、人間の尊厳を無視し労働者を物のように使い捨てにするのが当たり前という、人間性のカケラもない労務管理だ。
 非正規労働者にしかなれない者は、努力や根性が足りないからだという、新自由主義者お得意の論理がまかり通っている。
 そのような現状に、人々の怒りが爆発したのだろう。
 非人間的に扱われて憤る、その感性の方がまともであるような気がする。

 休みもろくに取れず、正社員と同じ仕事をしながら低賃金で抑えられ、福利厚生、各種保険も不備な状態で働かされながら、何もモノを言えなくされている、多数の非正規労働者たちの一人でも多くに、インドの怒りが伝わってほしいと思った。

 いつから日本人は、自分の不利益に声を上げることが出来なくなったのだろう。
自分の不利益には声を上げ、要求はキチンと表明する社会にしていかなければならない。

 原子力発電をめぐる最近の動きは、その萌芽であるとは、思うのだが。

0 件のコメント:

コメントを投稿