2012年8月21日火曜日

知床の川でイワナ釣り

 授業が始まる途端にこの暑さだ。
 この地方では、毎年のことだが今日はとりわけ暑かった。
 その暑さの中、「野外活動」の授業があった。
 夏休み明けの手始めは渓流釣りである。

 生徒達は意外に釣りの経験がない。特に渓流での釣りを経験したことのある生徒はかなり少数だ。
 釣りは、仕掛けを作るためには、指先の器用さが必要だし、針を取り付けたりオモリを付けたりするためには忍耐と集中力が求められる。
 水辺で糸を垂らし、掛かった魚を釣り上げる快感を得るためには、それなりの辛抱強い準備をしなければならないわけだ。
 
 この授業で釣りを教える目的は、そのような少々面倒くさい手順を踏んで、自力で釣りを楽しめるようになることだ。だからもちろん、針に餌を付けるのもかかったサカナをはずすのも、他人に頼らず自分でするのが原則だ。

 今日は、最初の授業だったので仕掛けを作るのにずいぶん時間がかかった。それでも遊びの要素の強い「釣り」の授業とあって、仕掛けの作り方の説明を生徒達は、普段の授業よりもかなり熱心に聴いていた。

 残りの時間は、近くの川へでかけて、実習ということになった。
 オショロコマに混じってヤマメも数匹釣れた。
 青空の下で川のせせらぎを聞きながら、流れに糸を垂らすのは、釣果にかかわらず誰にとっても嬉しい時間だったことだろう。

 この授業は、次の時間にもつづける予定だ。というより本格的に釣りを楽しむのは、次の授業の時になる。
 そのため、仕事が終わってから別の川に下調べに出かけた。
 この川では始め、イクラを餌にしてみたところ全く魚が掛かってこない。
 そこで川底の石からトビケラの蛹を採って、餌にしてみたところ、糸を垂らすと同時に魚が食いついてくるようになった。
 サカナ達も現金なものだ。

 次の授業では、餌の探し方、付け方、ひっくり返した川底の石を戻しておくというマナーなども伝えなければならない。
 有効な「教材研究」の成果は、夕食の食卓を賑わしてくれた。


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