2012年9月16日日曜日

旅の記 その2

 8月13日(木) ウィーン~クラコウ
 KE933便は、40分以上遅れて出発したが、ウィーンには20分前後の遅れで、現地時間17時50分頃に到着した。 ウィーンは、オーストリアの首都でありヨーロッパの主要な玄関の一つだが、空港も大きく利用者も多い。  しかし、到着時刻のタイミングがよかったこともあるのだろうか、入国審査はあっけなく通過した。あまり待つことはなかった。インチョン空港での乗り継ぎ時の保安検査の方がはるかに長く待たされた。  空港には、オーストリア人で、僕らの友人であるイザベルのお父さんが迎えに来てくれていた。今回の旅の目的は、イザベルの結婚式に出席することだ。結婚の相手はポーランドのクラコウに住んできて、式もクラコウで行われる。  だから最初の目的地はクラコウで、この足でウィーン発22時の夜行列車に乗ってクラコウに向かうことになっている。  その前に、短時間ではあるが、ウィーンの自宅で休ませくださることになっていた。  後になって感じたことだが、この時の休憩は、長時間の飛行と時差による疲れを回復する上で、実に効果的だった。ありがたいことだ。  列車は22時8分発。イザベルの家からウィーン駅までは地下鉄で3駅だった。お父さんは親切に地下鉄駅まで連れて行ってくれた。  ウィーン駅は、大きな駅で地平ホームにイタリアやスイスの方に行く夜行列車がずらりと並んでいて、いかにもヨーロッパの駅という感じだ。  僕らの乗る列車も、16両の客車から編成されていて、モスクワ行き、ワルシャワ行きなど様々な行き先の客車からなっていた。モスクワ行きの車両は、ロシアの鉄道の車両で当然だが車掌もロシア人である。ロシア語での会話が何となく懐かしい。  多くの人から聞いていたとおり、発車のベルや駅のアナウンスというものはなく、列車は黙って動きだした。  寝台車はすべてコンパートメントになっていて、二段ベッドがひとつある。洗面台もあり、ミネラルウォーターとチョコレートパンも人数の分が置かれている。洗面セットも備えられていて、2等とは思えない豪華さだ。  長時間の移動で疲れが出ている身には、幅の広いレールの上を滑らかにはしる列車の振動が心地よい。すぐにわき上がる眠気に、身をまかせた。  翌朝はポーランドである。

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