2012年10月1日月曜日

サギの森

 北海道中央部、石狩平野の南東の丘陵地帯はかつて大森林地帯だった。  その片鱗が非常に微かに残さっている野幌森林公園に「サギの森」という場所がある。そこではアオサギの集団繁殖地(コロニー)がある。  もっともアオサギという鳥は、時々コロニーを移すそうだから今はどうなっているのだろう。  僕の学生時代には、遠くからでもはっきりわかるほどアオサギの糞で幹が白くなった樹木が何本も並んでいて、ちょっと異様な印象を受けた。誰にでも知られている場所で、「サギの森」というバス停もあったように記憶している。  バスに乗ってそこを通るたびに「サギの森です」という車内アナウンスが流れた。  サギは、羽が白いことから「サヤケキ(鮮明である)」の意味だとか、  鳴き声が騒々しから「サヤギ(騒)」だとか、  「サケ(細毛)」や「サケ(白毛)」が語源だとする説、 「キ」または「ギ」は、トキ(朱鷺)、シギ(鴫)などと同じように鳥を意味する接尾語で、「サユ(白湯)」などに使われている白を意味する「サ」が最初に付いて「サギ」すなわり「白い鳥」の意味だという説など様々な説がある。  漢字の「鷺」も「透き通る白いつゆ」を意味する「露」と「鳥」の組み合わせで出来ている「透き通るように白い鳥」という意味だという。  別の資料では、平安時代の官位で、正四位下に「参議」という職があり、その「サンギ」から名付けられたという説もある。ゴイサギという鳥は「五位鷺」と書くから、この説などは説得力がある。  いずれにしても透き通るように純白で、高貴な官位に由来する、優雅で上品な鳥というイメージを振りまいている。  ゆめゆめ当節流行の「詐欺」と混同してはならないだろう。  日本の安全のために、沖縄県民の安全には目をつぶり、オスプレイを配備すると言う。 原発を稼働させる時は、「私の責任で」と言った人が、「あれは最終的に安全委員会が判断した」と言い始める。  この先稼働できる見込みのない原発の建設工事を再開させておいて、「あれは建設者側の判断だ」という。  日本の政治家の巣くっている所こそまさに「詐欺の森」だと思う。  そう言えば、サギという鳥たち、優雅な印象もあるが、あれでなかなか狡賢く、喧しく成長の限界の見えた立木の多い林にコロニーを作って樹勢を弱め、枯死するとあっさり集団移転する、なかなかにしたたかな一面も持っている。  サギの森の悪いサギたちを根絶やしにしないと、日本が枯死する日は近い。

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