2012年11月25日日曜日

マッカウストンネル

 昨日のことだがトンネルを掘っている現場へ見学に行った。  羅臼町の道道「羅臼・相泊線」のマッカウス洞窟の裏側に掘られているトンネルだ。  マッカウス洞窟という名前はなじみがないかも知れないが、ヒカリゴケのある洞窟のことだ。海岸線沿いに作られている現在の道は、もろく不安定な崖のすぐ下を通っているうえに海が時化ると波をかぶる難所でもある。  この部分の通行が不可能になると羅臼町から知床岬方面への陸路の連絡が完全に途絶してしまう。  そこでトンネルを掘る構想が以前からあったようだが、ヒカリゴケのある洞窟の裏側に当たるので、地下水脈に影響を与え、ヒカリゴケの生育が困難になるおそれがあるとされていた。  今回は、洞窟へ通じる水脈の部分を通るトンネルを完全に防水構造にして地下水の流れを断ち切らない工法が取られているのだそうだ。  そのような工法の宣伝もあるのか、工事を実施している会社の好意で小学生とその保護者を対象にした見学会が催された。 工事は貫通まであと100メートルを切っていて、その先端部まで行けるというので参加してみることにした。  トンネル工事現場には、トンネル内専用のダンプや重機があり、他の場所では見ることのできない珍しい機械があった。中でも最先端で掘削するヘッダーという掘削機は、まるで巨大ロボットのような形をしており、そのようなものが好きな人には魅力的に見えるのだろうな、と思った。  掘削面のコンクリート吹きつけも専用の巨大な吹きつけ機で行われてる。そのため穴をあけた直後からどんどん吹きつけをしているようで、最先端の切り羽まで、壁は隙間無くコンクリートで固められていた。  知床の「地底」に入り込み、そこにある岩石を直に見たり触ったりできるか、と期待していた僕にとって、この点は少々物足りなかった。  しかし、休日を返上し、トンネル建設の工程をわかりやすく説明してれた現場の親切な人々の気持ちに接することができ、収穫の多い見学会だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿