2012年11月4日日曜日

ディベロプメントということ

札幌にいる。 強い風が時雨をもたらし、ビルの陰で落ち葉をくるくると巻き上げている。  冬の足音の聞こえる札幌だ。  午前中、合同教育研究集会のテーマ討論「アイヌ副読本書き換え問題を考える」に出席。討論に聴き入った。  副読本の書き換えに圧力を加えた勢力が、どのような背景を持ち、どのような狙いをもって教育現場に介入しようとしているか、この「副読本問題」を通して、よく見えてきたように思う。  同時に今後の「さらに厳しい闘い」も予感させられた。  だが、その反面、闘志が湧いてくる自分の内面も感じた。  午後から、北海道ユネスコスクール研修会に出席。  印象的だったのは、北海道ユネスコ連絡協議会会長 大津先生の挨拶だ。  ESD(Education for Sustainable Development)の邦訳が  外務省は「持続可能な開発のための教育」と言い、  文科省は「持続可能な成長のための教育」として、「対立」がつづいていて、現場の先生や生徒は混乱するばかりだ。  しかし、「develop」という単語は「Envelop」であること。  それは何かが(封筒などに)しまわれ、隠されているところから、その包み(封筒など)を開いて取り出すことが「develop」という本来の意味であること。  成長というのは、隠された能力や可能性をそれを包んでいる封筒から取り出し、花開かせることことだ、という意味である。  だから、どちらの訳が正しいかなどという議論は意味のないことで、私たち教育に関わる者は、子どもたちの隠されている能力を花開かせるために努力しなければならない。  おおむね、このような内容だった。  久しぶりに、学ぶところの多い集まりであった。

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