2012年12月5日水曜日

真のジャーナリストよ、いでよ!

 先日「本当のことを伝えない日本の新聞」という本を買って読んだ。前から気になっていたので、注文して取り寄せたのだ。  放送も含めて、日本の大手メディアの伝えるニュースは、みな横並びで同じような内容であることが前から気になっていた。  そして、沖縄の人たちがオスプレイの配備や本島北部に建設されようとしているヘリコプター訓練施設に命がけで反対している様子や反原発のデモや集会に今までに無いほど人が集まっていてもさっぱり報道されず、どうも胡散臭いと感じていた。  その傾向は、昨年の3月11日の大地震とそれに続く原発のまき散らした大公害事件以来、一層強まってきたように感じられた。  そのようなタイミングで出版されたこの本が以前からきにかかっていたというわけだ。  本は、ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさんが書いたもので、「記者クラブ」という日本独特の、欧米では考えられない、あり得ない仕組みによって、新聞や放送のメディアがジャーナリズムではなく単なる発表媒体になっている実態を具体的な例を豊富に挙げて指摘している。  そして、驚くべきことにアメリカ人の彼は、日本のメディアがなぜそのようになってしまったかを明治にまで遡って分析している。  一通り読んでみて、非常に勉強になり、日本の大手メディアの現状がよく理解できた。  日本の侵略戦争のただ中で、大本営発表をそのまま垂れ流し、多くの国民を苦しめ、死に追いやった責任を自覚し、戦後のメディアは再出発を期したと聞いてきた。そう信じてきたのだが、やがて「いつか来た道」に戻りつつあるのだろうか。どうもそうらしい。  全国で同時多発的に気骨のあるジャーナリストが立ち上がる時は来ないのだろうか。  そんな時が待たれてならない。 

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