2013年1月13日日曜日

寒冷地で暮らす・・・水は固体だ

 今年の寒さには「厚み」が無いと感じていた。多くの人も同感だと言っていた。ただし、気温の数値は例年になく低い。記録的だ。その影響で水道管の凍結が多いのも事実だ。  わが家でも台所の流しの排水管が凍った。これまでに無かったことだ。  上水道が凍って水が出なくなるのも辛いことだが排水出来なくなるというのも苦しいものだ。  凍結したのは先週の火曜日。三連休に入った昨日から修理に取りかかった。  排水管をむき出しにしてみると流し台から下りてくる管と下水に流し出す管の接続部が凍結していた。驚いたのことに、その接続部は床下を通った外気が直接かかるようになっていた。  なぜ、このような構造になっていたのか信じられない。  これは、設計施工の段階からの問題だ。寒冷地に建てる住宅であれば、水回りの凍結防止を最優先に考えるのが当然であろう。北海道の建物ならそれが常識だ。  ところが、住宅だけでなく自動車もプラスチック製の雪かきもカメラも、多くの物が「内地標準」で設計されている。  クルマのワイパーがフロントガラスに凍りついて作動しなくなることがある。最近のクルマではワイパーの収納位置にヒーターが取り付けられるようになってきたが、まだ少数派だ。-20℃以下ではエンジンオイルの粘度が上がり始動しずらくなる。ヨーロッパの寒冷地のクルマにはオイルパンヒーターが装備されていて、油温の低下を防いでいるが、僕の知る限り国産車ではそのオプションさえない。  プラスチック製雪かきは-10℃以下では非常に脆くなりすぐに割れる。  カメラの多くは極低温になるとレンズカバーが凍結して作動しなくなる。  これらは、設計者が一工夫すれば解決できる問題だが人口が少なく、したがって需要が少ない地方のことなど商品開発者の眼中に無いのだろう。  われわれは、それぞれに個人が工夫して温帯文化で作り出された製品に寒冷地対策を講じていくしかない。     こうして極寒地の生活で問題点に突き当たる度に、自分たちは「中央」とは異なるマイノリティだという自覚が高まっていく。「生きる力」が鍛え上げられているのだから、実はそれほど気になっていないのだが。

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