2013年1月19日土曜日

流氷への旅

 水平線が氷泥で真っ白に見えるようになった。氷泥は水温の低下した海水面に浮く小さな氷のかけらでできる。海水温が低いので融けずにいつまでも浮かんでいるものが、風や波で集められ海一面が真っ白に見える状態だ。氷の細粒を浮かべた海面は、トロリとした粥状になり波も穏やかになる。流氷接近の前ぶれでもある。  流氷の本隊も知床岬を回り込んできたらしい。  「流氷の来る浜で暮らした者は、必ず流氷のそばに帰ってくる」と聞いたことがある。  「流氷」と聞くと心がそわそわとなる感覚は、流氷を知らない人にはなかなか理解してもらえないかも知れない。  気候変動で流氷の総量は減る傾向を見せている。心が穏やかでないのは、これも理由なのかも知れない。

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