2013年1月2日水曜日

ワタリガラスの季節

 ワタリガラスの目立つ年だ。  全道的な(つまり世界的な)傾向かどうかはわからない。  ただ、わが家の周りでは例年になくワタリガラスが目立つ。    ワタリガラスは北極地方から冬に渡ってくるカラスで、日本で普通に見られるハシブトガラスよりも一回り大きい。  全身が黒いカラスだから一見しただけでは見分けがつかないが、慣れてくると横顔のシルエットが少し違っている。  だが、決定的な識別ポイントは鳴き声だ。普通のカラスよりも高い声で鳴く。代表的な聞きなしは「カポン、カポン」だが、鳴き方には多くのバリエーションがあって 「ウーウー」とか「ワンワン」と鳴くこともある。一定していないが少なくとも「カー、カー」とは鳴かない。  このワタリガラスは北方先住民の神話に必ず登場し、神話の中で様々な役割を負っている。内容は様々だが共通しているのは、ワタリガラスが知恵者であるということだろう。 それによって、火の使い方とか、航海すること、獲物を分け合うことなどを教えたとされている。  要するに聖なる存在と見なされているのだ。  今冬、ワタリガラスが大挙して日本に渡ってきているとすれば、われわれに何を伝えようとしているのか、ちょっと気になる。

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