2013年1月7日月曜日

貝殻に隠れた飯を小さじにて探る パエリア 僕の七草

 今日は七草ということで何かと話題になっていたが、僕の朝食は昨夜の残りのパエリアを温め直して食べた。  パエリアというのはスペインの地中海に面した地方の食べ物で、要するに「欧風海鮮炊き込みご飯」とでも言うのだろうか。固めに炊いたご飯の芯までアサリやイカの旨みが染みこんでいて、噛むとその海の香りが口中に広がって美味しい。  アサリは貝付きのままで炊き込んでいるので、貝殻の間に詰まったご飯を丁寧に取り出して食べるのがまた楽しい。「今日は七草」とかしましく繰り返すラジオに耳を傾けながら貝殻の間に隠れたご飯を楽しみながら、ふと現代の七草が太陽暦で行われていることに違和感を覚えた。  七草がゆに入れるセリ、ナズナ、ハコベなど草の新芽は北海道においては絶望的に手に入らないが、おそらく内地でも同様なのではないだろうか。  陰暦の元旦は、今年は2月10日だ。したがって2月16日が七草にあたり、この頃であれば、地域によっては自然に生息する春の七草が手に入るのではないだろうか。  何もかも「商品」にして換金して考えなければ気が済まない現代の日本で、太陽暦の七草などほとんど意味を持たないだろう。  パエリアの奥深い味を堪能する方がずっと良いと思った。

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