2013年3月1日金曜日

「染まる」とは繊維の隙間に細かな色の粒子が入り込むことだ

 「染」という漢字の右上の「九」は、本来「乃」という字だったとのこと。 満開のサクラを”萬朶の桜(ばんだのさくら)”と言うように、「朶」は、萬開の花葉が、重く垂れ下がる形。従って「染」は、植物の花や葉から染色液を作って布を染める、いわゆる、”草木染め”のことだろうと思う。  以上のことは、伊東信夫さんという方の書いた『成り立ちで知る漢字のおもしろ世界動物・植物編』という本に書いてあった。 音読みは「セン」で、訓読みは「そ・める」、「し・みる」。  色がつく、しみこむ、という意味から拡大して影響を受けるという意味にも使われる。 「感染」や「伝染」という語からもそれがわかる。そしてもちろん「汚染」もそこから来ている。  「除染」は染まったものをそこから取り除くのだが、あくまでも「取り除く」だけだ。取り除いてどこかに持って行かなければならない。持って行く場所があるのだろうか。決して「消染」ではないのだ。  取り除いた汚染物の中には放射線源が含まれていて放射線を出し続けている。危険だ。法律で決められている「放射線管理区域」よりもはるかに高い放射線を出しているものもあるらしい。  いかにも簡単そうに「除染」と言っているが、実際には多くの困難がつきまとい、「除染」いうより「隠染」になっているようだ。  そのうえどれだけの費用がかかることになるか、いまだに見通しさえ立っていない。そして東京電力はその費用を原発のコストに入れていない。  こんな状況で原発を再稼働させることがいかに無謀であるか、明白だ。  今、もっとも取り除かなければならない汚れは、ここに至っても原発にしがみつこう、しがみつかせようとする考え方ではないだろうか。

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