2013年4月1日月曜日

今年度最後のエゾシカ有害駆除

 31日、羅臼町で今年度最後のエゾシカ有害駆除が行われた。  羅臼のエゾシカ駆除は、基本的に巻き狩りというやり方である。シカのいそうな場所を大勢の勢子(せこ)が取り囲み、包囲網を縮めながら一定の方向に追い出し、あらかじめ決められた場所に展開していた射手それを撃つというものだ。  勢子は、雪が深くても斜面がどんなに急でも、あらかじめ決められた方向にシカを追うので、若くて体力のある人が受け持つ。当然、僕はいつも勢子に指名されると思っているのだが、どういう訳かいつも射手に回される。不思議だ。  冗談はさておき、巻き狩りではこの射手のことを「マチ」という。おそらく「待ち」から来た言葉だろう。  気配を消し、太い樹の陰などに入って、シカが出てくるのをじっと待つのだ。森の中で自分の気配を消しているので、待っている間に思いがけない森の表情に接することができ、なかなか楽しい時間でもある。  ある時など、シマリスが目の前を行ったり来たりしたことがあった。今回は、いろいろな野鳥が訪問してくれた。  今日来た鳥たち:エナガ、ハシブトガラ、シジュウカラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、コゲラ、ヤマセミ、カワガラス。それにハイタカ、ワタリガラスなども通っていった。  森はじつに賑やかである。  エゾシカの生命を奪うかどうかという瀬戸際で、神経を張り詰めている自分が、のどかに「日常生活」を送っている森の小動物たちの姿に心和ませているというのは、どこか矛盾したような奇妙で不思議な状況である。  こんなことを考えながらスコープを覗いていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿