2013年4月12日金曜日

ポーランドからきた食器たち・・・・ちょっと柄にもないけど

 これらの写真を見て頂きたい。  模様や形はさまざまだが、どこか共通点があるように感じられないだろうか。これらは、みなポーランドから来た食器たちである。厳密にはポーランドのボレスワヴィエツという表記もある)という町で作られた陶器だ。  ボレスワヴィエツはポーランドの南西の端、ドイツとの国境近くにある町だ。市街地は歩いて簡単に一回りできるくらいの本当に小さな町だが、このような食器を作っている工場がいくつもあり、ポーランド食器の生産地として世界中に知られている有名な町なのだ。  などと偉そうに書いたが、チタンのシェラカップが最高級の食器だと確信し、それでウィスキーを飲んでいればもうそれ以上の幸福な無いと信じているガサツで朴念仁の僕には、ちょっと縁遠い所だ。ゆえに「ボレスワヴィエツ」という難しい名前もなかなか覚えられなくて情けない思いをした。  最近、当ブログでは、政治や社会に対してやたら批判を書くことが多く、自分でも食傷してきたので、何かホッとするようなネタはないかと考えていた。本日の夕食後、食器を片付けていて、ふとこのポーランドを代表する食器のことを書いてみようかと考えた次第だ。  一つ一つ微妙に違っているのに全体から感じられる統一感はどこから来るのだろう。それが「伝統」というものなのだろうか。これらの食器は、一つずつ手描きで彩色されている。それが多様性の元となり、「手描きである」ということ自体が統一性を生み出しているのだろうか。  これらの点もセンスの無い僕にはよくわからない。  ただ、綺麗だなあとは感じる。それに加えて、写真からは伝わりにくいが、手で持った時の重量感が実に適切で、食事する楽しさが増すように思う。また、マグカップなどの唇を付けた時の感触がとても気持ちいい。  長い歴史を経て伝えられた伝統が食器作りの技術に生かされているのだろう。  ボレスワヴィエツの人口は4万人くらいだそうだ。郊外は丘陵地帯で豊かな森が町を囲んでいた。日本では、最近、一つの町が何かを売り出し、評判を上げるとすぐに他の町がその真似をし、終いには、どの町でも同じような「地元産品」が売り出され、飽きられるといつの間にか消えていくということが繰り返されている。  売れようと売れなかろうと頑固に良い物を作り続け、200年後とか400年後にそれが伝統になっているというような物作りをしてみようという気構えがほしい。  陶器などの焼き物は、元来は森の産物だ。柔らかな土、それをこねる水、そして焼く時の燃料として薪が必要だ。今でこそ激減している、ヨーロッパにはかつて大森林が広がっていた。ポーランドはその中で、まだまだ豊かな森が残されている。  これらの食器たちからそんなポーランドの森の息づかいが聞こえて来るような気がする。

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