2013年4月16日火曜日

愚の骨頂 大沼のミズバショウ ライトアップ・・・・いい加減にしてくれよナ

 ボストンマラソンの爆発事件を詳しく知りたかったので、珍しくTVをつけてニュースを見ていた。  すると、ローカルニュースで道南の大沼公園のミズバショウ群生地をライトアップするという話題を報じていた。  えっ、と思いだんだん腹立たしくなってきた。どうしてなりふり構わずそんなことをする?なんと愚かしい。この愚かな者たちは、暗闇を人工の光で切り裂くことは罪悪だという認識を持てないのか、と。夜は暗闇のままにしておくがいい。いいに決まっている。  ライトアップが全て悪いとは言わない。思っていても言わない。町中の公園にある桜をライトアップするのは、まあ良いだろう。たしかに夜桜は綺麗だと思う。しかし、ミズバショウはその湿地に自然に生育しているものだ。人の手で植えたものではない。それを客集めのために人間側の都合だけでライトを浴びせるのは自然への冒涜だと思わないか。自然物はすべて人間に都合に奉仕すべきものという考えはもう過去のもののはずだ。  現実問題として自然環境への影響も考慮せねばならない。湿地には数多くの生物が暮らしている。たとえばカエルの産卵場所になっている。たくさんの種類の小さな虫たちの暮らす場でもある。カエルの繁殖に影響はないか、虫への影響はどうか、これを企画しているヒトたちが配慮しているとは思えない。ただただ観光客をたくさん集めて少しでもカネ儲けをしたいという欲に目が眩んでいるとしか映らない。  万が一カエルの繁殖に影響が出れば、カエルをエサとして利用している多くの動物たちにダメージを与える。それを考慮できないのは愚かだ。  個人的なことを述べれば大沼公園は高校三年生の時、一年間暮らした場所である。観光地として、あちこちに人手が加わっているが、随所にすぐれた水辺の環境が残されている良いフィールドだった。その大沼からこれ以上収奪することは止めてもらいたい。  もう一つ。こんな馬鹿げた発想が生まれるのは、そこに需要があることも原因だ。普段見向きもしないような湿地にミズバショウが咲き、そこをライトで照らして闇夜に浮き上がらせれば、「どれ、行ってみようか」という人が増えると読んでいるのだ。  自然環境に配慮できる観光客として、このような愚かしい企画に乗せられないような良識と環境リテラシーを身に付けてもらいたい。もっと言わせてもらえるなら、観光客の立場からこんな企画を正しく批判してもらいたい。  高校生だった僕を優しく包んでくれた大沼のミズバショウ群落が哀れでならない。 

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