2013年5月24日金曜日

クマ住む町で思うこと その2

(「その1は昨年の5月24日」)  今月に入って町内でエゾシカの有害駆除が始まった。 北海道内の市町村は、どこでもエゾシカによる農林業への被害に悩まされている。羅臼町も例外ではないが、知床半島基部の他町に比べると町内のエゾシカの個体数は減ってきている。  それは、羅臼町内のハンターの連携が上手くいっているからだろう。そして、リーダー格のハンターの射撃技術が優秀だということもある。遠距離の射撃はそのようなベテランが引き受け、近くにいるエゾシカはショットガンを持つ人たちが撃つ。撃ったシカは回収部隊が回収する、という流れが確立している。  それでも、険しい崖の途中や急流を挟んだ対岸にシカがいる場合、たとえ弾が届く距離でも撃てない場合がある。それは、回収ができないと判断された時である。  市街地に近い場所で駆除を行っているので、そんな場所に死体を放置できないからだ。市街地の近くにシカの死体を放置すれば、確実にクマを誘引する。真っ先に考えなければならないのは、このことだ。 羅臼では、街でお酒を飲み、家まで歩いて帰る数百メートルの間にヒグマと遭遇する可能性はゼロではない。  「現代の日本で、熊スプレーを持ってお酒を飲みに来るなんて、羅臼くらいのものだろうな」と話して笑い合ったことがあったが、これは冗談ではないのだ。 よく、そんな所によく住めますね。怖くないですか、と質問される。たしかに怖い。  だが、よく考えると意味もなく人が刺されたり、ナイフを持った者が暴れたり、クルマが突っ込んできたりする都会の危険の方が起こる可能性が大きいかも知れない。 ヒグマの襲撃には理由がある。理由もなく人を襲うことは無いと考えてよい。十分に用心し、こちらが襲撃の理由を作らないように心がければ、事故はほぼ100%防げるだろう。  そんな「ヒグマの心を読む力」を子どもたちにつけてもらうことを目指して、今年もクマ授業の季節がやってきた。 本ブログはまもなく以下のブログに移動します。 http://blog.livedoor.jp/kirinoyura/

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